いざ、2次元の世界へ
諦めかけたその瞬間。
「ここにいたのかっ!」
「今すぐこの世界から出ていけ、3次元!」
バーン、と強く扉が開き、数人の大人が入ってきた。
おそらく先生たちであろう。
だけど、今はそれどころではない。
『3次元』
その単語が私に向けられているものだと気付くのに時間はかからず、逃げる暇もないまま、私は彼らに捕らえられた。
「ちょっ…やめて!」
向こうは紙の人間たち。
そう分かっているせいで油断したのか、身動きすら取れないほどに、がっちりと固められる。
「テメェら、南に何すんだよ!!」
ソファで寝転がっていたはずのタイガは、いつの間にか私の前にいた。