いざ、2次元の世界へ
助けて。
声に出すことは出来なかったが、その思いは届いたようで、後ろの先生方を蹴り飛ばしている。
「お前は、3年の…! 馬鹿な真似は、やめなさい! これ以上抵抗するなら、あなたたちにもそれなりの処分を与えますよ!」
「へっ、俺はもう停学を何度も経験してる…停学だろうと、退学だろうと、何も怖くねぇっつーの!」
こんなときに思うのも何だが、目の前で起きている喧嘩はとても迫力があった。
タイガの運動神経が良いのも関係しているのか、手足の動きがすべてしなやかで、本当にかっこいい。
飛んだり、回ったり。
3次元でも再現出来ないほど。
「ほら、お前らは行け! こっちはひとりで全然余裕だぁ!」
嬉しそうに、楽しそうに。
喧嘩をしているときのタイガは、本当に無邪気で、小学生のようにはしゃぐ。
…全く、18歳がいい年して何やってんだか。
でも、こんな一面を生で見れてよかった。