いざ、2次元の世界へ


ピンポーン、とインターホンを鳴らせば、お母さんらしき人の声が聞こえる。


『はい、どちら様でしょうか』


「あっ。え、と…朝倉 南です」


アンナとは会ったことないし、もちろん話したこともない。


だから、なんて言えばいいのかわからず、自分の名前を名乗ることしかできなかった。


『朝倉…はて、アンナの友だちかしら?』


「そ、そうです…!」


どうにか誤魔化したが、このままではいずれバレてしまう。


早いうちに、なんとかアンナに会うことが出来れば良いのだが…


「ところで、アンナさんはどこに?」


私の代わりに、ソウスケが尋ねてくれた。


『アンナは、数日前から部屋にこもりきりなのよ。『何かあったの』って聞いても、何も答えてくれない…どうしちゃったのかしら』


そんな…部屋にこもっている?


まさか、漫画のヒロインが引きこもりになるなんて…!


< 44 / 74 >

この作品をシェア

pagetop