いざ、2次元の世界へ
「なんで! えっ…どうして!?」
お母さんは、まるで自宅にいるかのように、せっせと原稿を書き上げている。
夢でも見ているのか、いや、だったらこの世界に入り込んでしまったところから、夢の始まりであろう。
本当にお母さんなのか…?
まだ名前も聞いてないし、もしかしたら激似の別人かもしれない。
きっと、そうだ。
そう思いたかったのに、次の一言で確信に迫るしかない状況になった。
「今日締め切りだったのよ。リビングに置いてあったでしょ?原稿が」
確かに、あった。
というか、それのせいでこの世界へ来てしまったのだ。
それを説明すると、お母さんは不思議そうにペンを置く。