絶叫脱出ゲーム③~クラスカースト~
崩壊
薮木君を殺した中尾君が部屋から出て来ると、酒本君が「ヒュー! やるねぇ、人殺し!!」と、はやし立てた。


そんな酒本君を見て中尾君はまっすぐ進んでいく。


ただ1人、酒本君をキツク睨み付けながら。


「なんだよお前なんか文句が――」


酒本君が最後まで言う暇も与えず、中尾君が拳を突き出していた。


パンッ!と皮膚を打つ音が響き、酒本君が鼻血を吹いた。


更に2発3発と攻撃を加えて、ようやく中尾君は手を止めた。


顔面を殴られた酒本君はその場にうずくまり、唸り声をあげている。


みんな茫然として中尾君を見つめていた。


クラスカースト1位の酒本君を、クラスカースト下位の中尾君がこんなふうに攻撃するなんて、信じられなかった。


「お前だけは、絶対に殺す」


中尾君は酒本君へ向けてそう吐き捨てたのだった……。
< 113 / 190 >

この作品をシェア

pagetop