絶叫脱出ゲーム③~クラスカースト~
彩美が震える声でそう言い、あたしの手を握る。


あたしはその手を強く握り返した。


大丈夫だよ。


その言葉が喉の奥から出そうになるが、グッと飲み込んだ。


死ぬか生きるかの戦いだ。


負ければ彩美でも必ず死ぬ。


それを知っていて、大丈夫だなんて言葉をかける事ができなかった。


仮に、無事に部屋から出て来たとしても、彩美の精神状態がどこまで保たれるかわからなかった。


目の前でクラスメートが死に、自分の手で殺すのだ。


そのストレスとショックは計り知れない。


「彩美、よく聞いて」


あたしは小さな声でそう言った。
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