絶叫脱出ゲーム③~クラスカースト~
彩美は涙の浮かんだ目であたしを見つめる。


「松田さんと八坂さんには気を付けて。あの2人はスポーツが得意だから、油断しないで」


「う、うん……」


彩美はぎこちなく頷く。


できれば理性がない内にあの2人を殺した方がいい。


だけどそれはうまく行くかどうかわからないので、言わない事にした。


いつまでも動こうとしない彩美が男に腕を掴まれ、無理やり立ち上がらされた。


「朱里……」


「彩美! 絶対に、勝って!」


彩美が部屋の入る寸前、あたしはそう声をかけたのだった。
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