絶叫脱出ゲーム③~クラスカースト~
「彩美、お願い頑張って!!」


あたしは声を張り上げてそう言った。


彩美が真っ赤に充血した目でこちらを見る。


その目からは次から次へと涙があふれ出していた。


もう少しで彩美は勝てるのだ。


その期待が膨らむ中、彩美は信じられない言葉を口走った。


「もう……無理だよ……」


嘘だと思った。


なにかの冗談だと。


しかし彩美はそう呟いた後も、一向に動こうとしないのだ。


座り込み、嗚咽を漏らし続ける。


「そんな……彩美! お願い立って!!」


あたしがそう言うが、彩美は左右に首をふるばかり。


こんな様子を<mother>が見ていたら、きっと幻滅される。


せっかくここで勝てるはずの彩美が、死んでしまうかもしれない。
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