絶叫脱出ゲーム③~クラスカースト~
☆☆☆

あたしの対戦相手は片山未咲、井上晴斗、三神マキヤの3人だった。


マキヤの名前が呼ばれた瞬間、あたしは心の中でガッツポーズを作っていた。


この組み合わせなら、あたしは勝てる!!


オタクグループの未咲は真っ青な顔で部屋に入って来た。


その体はガタガタと震えていて、彩美以上に怯えているのがわかった。


部屋に入ってみると案外広くて、十分に動けるスペースがある。


中央の透明な壁の向こうにはマキヤと晴斗君の姿。


2人とも青ざめた顔をしているが、マキヤはあたしと視線がぶつかると大きく頷いた。


咄嗟にあたしは顔をそむけた。


そんなにわかりやすい態度を取られたらバレるだろうが。


そう心の中でののしった。


次第に足元から白い煙が入ってきて、未咲が小さく悲鳴を上げた。


あたしは思いっきりその煙を吸い込む。


特に匂いはしないし、体に変化は感じられない。
< 131 / 190 >

この作品をシェア

pagetop