絶叫脱出ゲーム③~クラスカースト~
☆☆☆

あたしは肩で大きく呼吸を繰り返して立ち上がった。


両腕がしびれるように痛む。


人の首を絞めて殺すというのは、こんなにも体力が消耗することなのだと初めて知った。


あたしは涙目になっているマキヤを見た。


マキヤはなにも言わない。


だけど自分の役目はもうわかっているはずだ。


ここで自殺して、あたしを助ける事。


あたしは両腕をさすりながら壁に寄りかかった。


「朱里、俺……」


マキヤの声が震えている。


「なに?」


「やっぱり、怖えぇよ……」


は?


あたしは目を見開いてマキヤを見た。


マキヤは体を小刻みに震わせている。


「怖いって、なに?」


あたしは一歩前に出てそう聞いた。


「死ぬことだよ。怖えぇよ……」
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