絶叫脱出ゲーム③~クラスカースト~
そう思って寝返りをうったときだった、突然胸にいたみが走り、あたしはうめき声を上げた。


今まで感じたことのない胸の痛み。


付き刺すような痛みが数秒に1回のペースでやってくる。


なにこれ……。


グッと胸を押さえて顔をしかめる。


胸が痛むなんてこと、今まで一度もなかったのに……。


そう思った瞬間あたしはハッと息を飲んで上半身を起こした。


胸の痛みはまだ続いている。


まるで誰かが意図的に引き起こしているような、規則正しい痛み。


……まさか!!


あたしは立ちあがり、周囲を見回した。


体育館の電気は消されているが、目が慣れればうっすらと周囲が見てくる。


あたしは横になっている生徒たちの合間を縫うようにして、体育館の隅へと移動した。


途端に胸の痛みは引いていく。


そのときあたしは確信した。


この痛みは<mother>があたしのチップを使って引き起こしているのだと。
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