絶叫脱出ゲーム③~クラスカースト~
あたしは壁に沿ってステージへ向けて歩き出した。


暗い中、ボンヤリと人影が浮かび上がっているのが見えた。


あたしは物音を立てないように、そっとステージに上がった。


そこにいたのはあのスーツの男だった。


男はあたしを見るとニヤリと笑う。


やっぱり、こいつがあたしを呼びだしたんだ。


「なに?」


小さな声でそう聞く。


「こっちへ」


男は答えることなく、ステージの袖に入って行った。


あたしも男について歩き出した。


ステージの袖は控室になっていて、文化祭などで使う道具がおさめられている。


十分な広さがある部屋だった。


しかしそこから外へ出る事は出来ない。


体育館の準備室からこの部屋に入る事はできるが、外へ続く扉はないのだ。
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