絶叫脱出ゲーム③~クラスカースト~
取引
「ここ数日のキミの思考回路を読ませてもらった」


薄暗い控室の冷たい椅子に座り、あたしは男と向かい合って座っていた。


あたしは男の言葉に無言のまま頷いた。


思考回路まで把握されているということは理解していたけれど、こうして面と向かってそれを言われると不快感が胸に渦巻いた。


「キミの考えている通り、このバトルには観客がいる。下剋上を見たがっている観客がね」


やっぱり、そうだったのか。


あたしは大きく息を吐き出した。


「クラスカーストの生徒が勝つなら、あたしは明日死ぬんだ?」


そう聞くと、男はゆっくりと頷いた。


「本来なら、そうなっていた」


「本来なら?」


「キミをここへ呼び出したのは取引をするためだと言っただろう」


男にそう言われて、あたしは目を輝かせた。


「あたしが生き残るための取引ってこと?」


「そういうことだ」


男が大きく頷いた。
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