絶叫脱出ゲーム③~クラスカースト~
<mother>がそう簡単に人の命を救うとは思えない。


条件が良すぎるのだ。


「その取引を飲んだ後、あたしはどうなるの?」


あたしは奴隷部屋から出た後の事を思い出してそう聞いた。


奴隷部屋から出た後も、試練は残っていた。


今回もそうかもしれない。


バトルを終えて外へ出たとしても、今以上に辛い事が待ち受けていては意味がない。


「なにもないさ。キミが勝てば外へ出る事ができる。ただそれだけだ」


男はそう言い、大きく開いた壁から外の景色を眺めた。



満点の星空が輝いて見える。


あたしは大きく息を吸い込んだ。


体育館内とは違い、綺麗な空気が体に入って来るのがわかる。


「わかった。その取引を受けるわ」


あたしはそう言い、頷いたのだった。
< 160 / 190 >

この作品をシェア

pagetop