絶叫脱出ゲーム③~クラスカースト~
「A組のみなさんは随分緊張しているようですね!」


その言葉に反応するように、小谷結愛ちゃんが突然その場に嘔吐した。


結愛ちゃんは3回目のバトルで勝っているが、親友だった公恵や同じグループのメンバーが次々と死んで行っている。


結愛ちゃんと仲が良い子は優里ちゃんただ1人だ。


優里ちゃんが結愛ちゃんの背中をさすっている。


「嘔吐なんてしている時間はありませんよ! 続いての対戦相手の発表です!!」


男が大きな声でそう言い、あたしは呼吸をすることもわすれて耳をすませた。


「今回の対戦相手は……有門加奈VS世田朱里VS守田彩美VS小谷結愛」


自分の名前を呼ばれた瞬間ビクリと体が跳ねた。


加奈ちゃんと目を見交わせる。


この人の中にカースト下位は1人もいない。


つまり、誰が勝つかはわからないということだ。


あたしはゆっくりと立ち上がり、部屋へと向かう。


後ろから彩美が「どこにいくの?」と聞きながらついてくるのがわかった。


彩美はこの状況になっても何も理解していないようだ。


一番殺しやすいのは彩美かもしれない。
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