絶叫脱出ゲーム③~クラスカースト~
『聞きなれない声だな』
中尾君はそう言い、声が聞こえる校長室へと足を向けたのだ。
校長室なんて、あたしたちにとっては最も恐ろしい場所だ。
いつイジメがバレて呼ばれるかわからない場所。
呼ばれても決して本当の事を話すことはできない場所。
少しでも酒本と公恵の事を口にすれば、今度はどれほどの仕打ちが返って来るかわからないからだ。
『ちょっと、中尾君』
あたしは中尾君を止めようと手を伸ばした。
しかし中尾君はあたしの声が聞こえなかったようで、校長室のドアに耳をあてて中の様子を確認していた。
『もう、帰ろうよ』
そう言うと、『しっ!』と、人差し指を立てる中尾君。
こんな所で聞き耳を立てていて、人が出て来たら言い逃れができない。
あたしたちの制服はボロボロだし、中尾君は耳から血まで流している。
校長が見逃すとは思えなかった。
『中に<mother>の人間が来てるみたいだ』
小さな声で中尾君はそう言った。
『<mother>って、あのビルのか?』
興味を持ったように木村君がそう聞き、同じように聞き耳を立て始めた。
あぁ、もう。
あたし1人で帰ろうかな。
そう思ったが、ここまで一緒にきている3人を置いて帰る気にもなれなかった。
中尾君はそう言い、声が聞こえる校長室へと足を向けたのだ。
校長室なんて、あたしたちにとっては最も恐ろしい場所だ。
いつイジメがバレて呼ばれるかわからない場所。
呼ばれても決して本当の事を話すことはできない場所。
少しでも酒本と公恵の事を口にすれば、今度はどれほどの仕打ちが返って来るかわからないからだ。
『ちょっと、中尾君』
あたしは中尾君を止めようと手を伸ばした。
しかし中尾君はあたしの声が聞こえなかったようで、校長室のドアに耳をあてて中の様子を確認していた。
『もう、帰ろうよ』
そう言うと、『しっ!』と、人差し指を立てる中尾君。
こんな所で聞き耳を立てていて、人が出て来たら言い逃れができない。
あたしたちの制服はボロボロだし、中尾君は耳から血まで流している。
校長が見逃すとは思えなかった。
『中に<mother>の人間が来てるみたいだ』
小さな声で中尾君はそう言った。
『<mother>って、あのビルのか?』
興味を持ったように木村君がそう聞き、同じように聞き耳を立て始めた。
あぁ、もう。
あたし1人で帰ろうかな。
そう思ったが、ここまで一緒にきている3人を置いて帰る気にもなれなかった。