絶叫脱出ゲーム③~クラスカースト~
☆☆☆
それから生徒たちは倉庫内の死体をマットにくるみ、ステージ上に移動していた。
昨日外へ出ようとして爆発した吉本君たちの死体も、手分けをして運ぶ。
血は綺麗に拭き取り、少しでも自分たちがいる環境を整えることに徹していた。
それはもうここから出る事はできないという、諦めでもあった。
血生臭さが軽減された体育館の中には、相変わらず透明な部屋が存在していた。
昨日初めて見た時はなにも感じなかったそれが、今は殺人兵器に見えてしまう。
鬱々とした気分でいると、ステージ上にスーツの男が現れた。
みんなの視線が男へ向かう。
「梅田高校の諸君、昨日はよく眠れたかい?」
満面の笑みを浮かべて嫌味な質問を投げかける。
それに対して反応を見せる生徒はほとんどいなかった。
もう、男に逆らう生徒はどこにもいない。
「とりあえず今日は朝食の時間だ。とびきりの食材を用意した。楽しんで食べてくれ」
男がそう言うと、ステージの袖から料理が運ばれてくる。
「……行こう」
あたしは彩美の手を取り、ステージへと向かったのだった。
それから生徒たちは倉庫内の死体をマットにくるみ、ステージ上に移動していた。
昨日外へ出ようとして爆発した吉本君たちの死体も、手分けをして運ぶ。
血は綺麗に拭き取り、少しでも自分たちがいる環境を整えることに徹していた。
それはもうここから出る事はできないという、諦めでもあった。
血生臭さが軽減された体育館の中には、相変わらず透明な部屋が存在していた。
昨日初めて見た時はなにも感じなかったそれが、今は殺人兵器に見えてしまう。
鬱々とした気分でいると、ステージ上にスーツの男が現れた。
みんなの視線が男へ向かう。
「梅田高校の諸君、昨日はよく眠れたかい?」
満面の笑みを浮かべて嫌味な質問を投げかける。
それに対して反応を見せる生徒はほとんどいなかった。
もう、男に逆らう生徒はどこにもいない。
「とりあえず今日は朝食の時間だ。とびきりの食材を用意した。楽しんで食べてくれ」
男がそう言うと、ステージの袖から料理が運ばれてくる。
「……行こう」
あたしは彩美の手を取り、ステージへと向かったのだった。