絶叫脱出ゲーム③~クラスカースト~
「ねぇ、もしもだけどね……」


「な、なんだよ?」


「あたしとマキヤが戦うことになったら、どうすする?」


少し上目づかいになり、マキヤにそう聞く。


マキヤは一瞬顔をしかめたが、すぐに「俺は絶対に朱里を助ける」と、言い切った。


その言葉に内心笑ってしまった。


命をかけてもいいほどあたしの事が好きということだ。


だけど本当に翔吾があたしを助けたように、マキヤにもあたしを助けることができるだろうか?


理性を失ったマキヤと戦えばあたしが負けるのは目に見えている。


<mother>側はそれを見越して、竜輔君と結愛ちゃんの時のように煙に細工をしてくるかもしれない。


「あたしも、マキヤに助かってほしい」


あたしがそう言うと、マキヤが多きく首を振った。


「そんな……俺の命なんてどうでもいい! 朱里と気持ちが通じ合えただけで、もう十分だ」


マキヤがそう言い、ほほ笑んだ。


この言葉が本当かどうかわからない。


いざとなれば死ぬのが怖くなるのは、当たり前のことだ。


「ありがとうマキヤ」


あたしはそう言ったのだった。
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