絶叫脱出ゲーム③~クラスカースト~
☆☆☆
マキヤとの会話を終えて戻って来ると、すぐにステージに男が現れた。
「また、始まるの……?」
横になっていた彩美が上半身を起こしてそう言った。
顔色はまだ悪いままだ。
「うん」
あたしは強く頷く。
「次は……誰が……」
彩美が目に涙を浮かべてそう呟いた。
そろそろ精神的に限界が近いのかもしれない。
彩美だけじゃない、体育館内にいる生徒たちがどのくらい正常でいるのかどうか、わからなかった。
本当はもうみんなどこか狂ってきてしまっているのかもしれない。
「さぁ! 次のバトルだ!」
男の大きな声が聞こえて来る。
朝の試合後から相当機嫌がいいようで、ニヤニヤとしたいやらしい笑みをたたえている。
「対戦相手は……清水春(シミズ ハル)VS山口翼(ヤマグチ ツバサ)」
清水君と、山口君……?
あたしは2人を見て瞬きを繰り返した。
清水君は背が高いだけがとりえの生徒。
山口君も似たようなもので、男子の中でのいじめられっこだった。
かといって2人は特別仲が良いワケでもない。
ただの冴えないクラスメートだった。
今までは親友同士だったり、片想い中の相手だったり、カースト上位と下位だったりしたのに、ここにきて急に地味になった気がする。
疑問を抱きながらも、バトルは待ってくれない。
呼ばれた2人が引きずられるようにして部屋の中へと移動していく。
2人とも同じように怯えていて、微かに震えているのがわかった。
おなじような性格をしているけれど特別仲がいいわけでもない2人。
どちらが勝手も負けても、おかしくない戦いになるだろう。
そこまで考えて、ハッとした。
もしかしたら男は五分五分の戦いが見たいと考えたのかもしれない。
どちらが勝つか負けるかわからない、先の見えないバトルが見たいのかも。
マキヤとの会話を終えて戻って来ると、すぐにステージに男が現れた。
「また、始まるの……?」
横になっていた彩美が上半身を起こしてそう言った。
顔色はまだ悪いままだ。
「うん」
あたしは強く頷く。
「次は……誰が……」
彩美が目に涙を浮かべてそう呟いた。
そろそろ精神的に限界が近いのかもしれない。
彩美だけじゃない、体育館内にいる生徒たちがどのくらい正常でいるのかどうか、わからなかった。
本当はもうみんなどこか狂ってきてしまっているのかもしれない。
「さぁ! 次のバトルだ!」
男の大きな声が聞こえて来る。
朝の試合後から相当機嫌がいいようで、ニヤニヤとしたいやらしい笑みをたたえている。
「対戦相手は……清水春(シミズ ハル)VS山口翼(ヤマグチ ツバサ)」
清水君と、山口君……?
あたしは2人を見て瞬きを繰り返した。
清水君は背が高いだけがとりえの生徒。
山口君も似たようなもので、男子の中でのいじめられっこだった。
かといって2人は特別仲が良いワケでもない。
ただの冴えないクラスメートだった。
今までは親友同士だったり、片想い中の相手だったり、カースト上位と下位だったりしたのに、ここにきて急に地味になった気がする。
疑問を抱きながらも、バトルは待ってくれない。
呼ばれた2人が引きずられるようにして部屋の中へと移動していく。
2人とも同じように怯えていて、微かに震えているのがわかった。
おなじような性格をしているけれど特別仲がいいわけでもない2人。
どちらが勝手も負けても、おかしくない戦いになるだろう。
そこまで考えて、ハッとした。
もしかしたら男は五分五分の戦いが見たいと考えたのかもしれない。
どちらが勝つか負けるかわからない、先の見えないバトルが見たいのかも。