絶叫脱出ゲーム③～クラスカースト～
夢
夜になると、途端に不安が広がって行く。


体育館の中にはまだ何百人という生徒たちがいる。


けれど、暗闇に包まれると途端に一人ぼっちになってしまったような感覚になった。


右を向いても左を向いても誰もいない。


光を探して歩いていても、微かな光さえ見つける事はできない。


誰かの囁き声や寝息が聞こえて来るけれど、その姿は見えない。


不安と恐怖で身を縮めて目を閉じると、目の前に翔吾の姿が現れた。


サッカーのユニホームを着ている翔吾は土で汚れた顔で満面の笑みを浮かべていた。


あたしが好きになった翔吾だ。


翔吾はあたしを手招きする。


こっちにおいでと、誘っている。


あたしは翔吾に言われるがままに動き出す。


足を踏み出し、前へ前へと進んでいく。


途端に周囲が灰色に変わった。


翔吾の首に銀色の首輪がはめられている。


あたしは立ち止まり、背筋が冷たくなっていくのを感じていた。
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表紙・目次

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