CLUSH HONEY~V系彼氏と、蜜より甘く~
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「……帰ろう、アヤ」
キリトが、私の手を引っ張る。
「キリト…ねぇ、手…病院で治療してもらった方が、いいんじゃないの…」
キリトの手には、新たな血がしみ出していて、巻いたハンカチが赤く染まっていた。
「ああ…治療は行くけど……明日、行く…」
と、キリトが自分の手に目を落とす。
「なんで、明日なの…?」
訊くと、
「アヤと、バイクに乗りたいから……」
と、キリトが言った。
「バイクなんて、今乗ったら…手が……」
「大丈夫だから……こうやって、グローブを上から着ければ、グリップぐらい握れる……」
キリトが指抜きの皮のグローブを出して、手に嵌めた。