CLUSH HONEY~V系彼氏と、蜜より甘く~
高速を1時間ぐらい走って、出口から降りると、明かりの消えた大きなホテルの脇にバイクを止めた。

キリトがヘルメットを取ると、

「…風、気持ちよかっただろ…?」

ふっと微笑んだ。


「うん…気持ちよかったよ、キリト…」

「アヤにも、感じてほしかったから…俺と同じ気持ちを…」

言って、

「髪…乱れちゃって…ごめん」

キリトの手が、私の髪を梳くように撫でた。


「ううん……私も、キリトと同じ感覚を味わえて、嬉しかったから……」

キリトが私の頬に触れて、

「冷えちゃったな…顔」

と、自分の頬をすり寄せる。


「……アヤ……」

照れたようにはにかんで、うつむいて、

「……好き…だよ…」

たどたどしくキリトが言う。



< 118 / 156 >

この作品をシェア

pagetop