CLUSH HONEY~V系彼氏と、蜜より甘く~
曲の終わりに、キリトは少しだけ間を取って、

「ありがとう…」と、言い、

「愛してる…」と、続けた。


ファンに向けられたのだろうその言葉は、やさしく愛しさにも満ちていて、彼を好きでいる一人として、幸せにも感じられた。


番組の後、少し時間がたってから、

「……アヤ、俺の歌、見てくれた?」

と、キリトから電話がきた。


「うん、見てたよ」

「……聞いてくれた? 最後の言葉も」

「うん、聞いた……」

思い出すと、にわかに顔が赤らんだ。


「あの言葉は、俺をずっと支えてくれた、ファンのみんなに向けたものだけれど……」

「うん…」

「でも、誰よりも支えてくれたアヤにも、向けたものだから……」

「私に……?」

「うん…だから、絶対見てって…」

言って、キリトが電話越しに押し黙る。


「……だけど、やっぱりアヤには、直接言いたいと思ったから……」


「えっ…?」



「……愛してる……ありがとう、アヤ…」




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