CLUSH HONEY~V系彼氏と、蜜より甘く~
画面の中の男を、興味本位で見つめた。
こないだの取材では、サングラスの奥に隠されていて見ることのできなかった、その男の瞳は、
濡れたように黒く、妖艶な輝きを宿していて、見る人を魅了する力を感じた。
「その目なら、充分な被写体になるのに……」
顔には、ゴシック系のキャラを立たせる、濃いめのメイクが施されていたけれど、
メイクを取っても美形だろうことは、容易に想像がついた。
「もうちょっとインタビューにも答えてくれたら、いい記事が書けたかもしれないのに……」
取材では手間をかけさせられたけれど、なんだか改めてもったいないような気がした。
あの時には、もう会いたくないとも思ったのに、チャンスがあったらまた取材をしてみたい……
その彼には、画面を通してもそう思わせるだけの魅力が、ひしひしと感じられるようだった。