CLUSH HONEY~V系彼氏と、蜜より甘く~
「……最初のメンバーとは違うから、合わないの…?」
彼の翳った顔が気になって、聞いてみたけれど、
「…もう、いいだろう。もう、しゃべりすぎた…」
キリトがそう言って、口をつぐむ。
「そっか…ごめんね…つまらないこと、聞いたりして…」
手持ち無沙汰に、目の前のコーヒーカップに手をかける。……と、
「……つまらないとまでは、別に思ってないから…」
ボソリと、キリトが言った。
「えっ…?」
彼とちゃんと話してみて、気づいたことがあった。
「……。…ねぇ、キリト……あなたって本当は、すごく純粋な人なんじゃ……」
「純粋とか、知らねぇから……」
彼の顔がにわかに赤くなったのを、見逃さなかった。
傲慢で人を寄せ付けないようにも感じていた彼は、
もしかしたら、ただピュアで人付き合いがうまくないだけなのかもしれない……そう思って、彼を見つめると、
「人の顔、そうやってじっと見んのやめろよ…」
と、耳までが赤く染まって、
そんな彼を、初めてかわいいとも感じた……。