CLUSH HONEY~V系彼氏と、蜜より甘く~
「キリト…私に、何ができる…?」


震えるその背中を、何度も撫でさすった。


私に身体を預けて、しばらく無言でいた後、彼は顔を上げると、


「ごめん…」と、もう一度くり返して、


「……いい、もう。……今日は、迷惑かけて、悪かった……」


と、言い、それ以上の追求をやんわりと拒んだ。


「キリト……いいの? 本当に…」


彼は首を縦に一度だけ振って、私からスッと身体を離した。


「私でよければ、頼ってくれていいから……」

「ああ…」とだけ、彼が口にする。


「帰る……夜遅くに、呼び出したりして、ごめん…」


ベンチを立つ彼に、つられるように立ち上がる。


「キリト、本当に頼ってよね…」


呼びかけると、歩き去る後ろ姿が、一瞬小さくうなづいたようにも見えたーー。
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