CLUSH HONEY~V系彼氏と、蜜より甘く~
3RD SESSION
-1-
……キリトに、会いたいと思った。
だけど、会って何を話したらいいのかもわからなくて、
ましてその場しのぎな言葉なんかをかけたところで、何の解決にもならない気がした。
「キリト……」
彼の連絡先に目を落としたまま、どうしていいかわからずに立ちすくんでいると、
不意に何処かから、歌声が切れ切れに聴こえてきた。
「……誰か、歌ってる…」
声に誘われるように、路地裏の道に入った。