CLUSH HONEY~V系彼氏と、蜜より甘く~
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「……。……なんでっ! なんでひとりになんか、できるのよっ……!」
顔をそむける彼に、走り寄って、
「……そんな寂しそうなあなたを……ひとりになんて…できるはずないじゃない……!」
彼の身体を思わず抱き寄せて、顔を見上げると、
こらえていたらしい涙が、キリトの瞳から滑り落ちた。
「キリト……」
視線が交わり、絡み合い、沈黙が続いた後で、
彼が、タバコを口からはずして、
「……。……あんた……名前、なんて言うんだっけ…?」
と、だけ訊いてきた。
「亜矢……」
「アヤ、か……」
吸い殻を携帯の灰皿に押し込んで、
「アヤは……俺を、ひとりにしないで、いてくれるのか……」
今にもまた、涙が零れ落ちそうな目で見つめるキリトに、
「……あなたを、ひとりになんかしないから……」
答えた。