イマカレモトカレ 永遠の愛は?



「驚いた?」


「離婚したの?」


知ってる!
始めから結婚なんてしてないこと。


「まぁ・・・な
色々あってね」


貴弘は1度も結婚なんてしてないくせに
嘘をついた。


嘘をつくってことは?
やっぱりあたしに恨みがあるから
晴らしたいんだ。


そうじゃなかったら始めから
結婚なんてしてないよって言うよね?


「会ってみて思ったんだ
オレって乃愛のこと
忘れてねーんだって」


これが本当なら嬉しいのに・・・。


「・・・あたしも あたしもね
貴弘と会えて嬉しかった」


それはあたしの本当の気持ち。


「ほんとに?
あの時 乃愛には彼氏が居たじゃん
それなのに?」


「うん・・・ちょっと微妙な頃だったし」


「オレ 別れろ別れろって
ずっと思ってたんだ」


やっぱり・・・。


「あたしね 貴弘のこと
好きだよ」


これも本当の気持ち。


「マジ?」


「うん・・・マジ
貴弘は?あたしのこと・・・」


「えっ・・・あっ・・・
うん・・・」


素直にはっきり『うん!』
とは言わなかった。


それが貴弘の本心なんだ
なら思いっきり騙されてあげる。


「ねー!貴弘
ドライブ行こうよ!
ねっ!連れてってよ!」


「えっ・・・
さっきまで避けてたくせに?」


「だって・・・
貴弘が結婚してると思って遠慮してたから
何も障害がないならあたしは
突っ走るだけ!なーんてねっ!」


「恐るべし!
年数たつと性格は変わるもんだな」


「そう?変わらないと思うよ」


貴弘は車の進行方向を変え
反対方向へと走り出した。








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