イマカレモトカレ 永遠の愛は?
「適当に座って」
と言われてリビングに入ると
二人がけのソファーが中央に置かれていた。
テレビも60インチの大画面。
昔の貴弘のアパートとは
大違いだ。
前は1DK狭くても
幸せな日々を過ごせてたな・・・なんて
また思い出す。
「何をキョロキョロ見てんだよ!
ほら!酎ハイ ピーチしか無かったわ
ビールが良かったら
持ってこようか?」
「いや それでいい」
缶を開けるプシュッと言う音が
シーンとした部屋に響き渡った。
「なんか贅沢な部屋だね」
「そう?まぁ~頑張った証しかな?」
頑張った証し=
母さんたちにバカにされたから。
「そうだね」
「贅沢ってほどじゃないよ
もっともっとみんな
贅沢な暮らししてるから!
テレビ 何か見る?」
貴弘はリモコンを取って
テレビをつけた。
ちょうど映った映像が
毎週あたしが見てるドラマだった。
「あ!これ!続きが気になってたんだ
見ていい?」
「どーぞ
オレ風呂に入るわ」
あたしはドラマに集中してて
貴弘がお風呂から出たのさえ気づかなかった。
一時間番組が終わり
気づくと貴弘はもうひとつの
ソファーで寝ていた。
貴弘・・・あたし
貴弘が好きだよ
ごめんね・・・苦しめて・・・。
寝顔に心で謝罪をしていると
「う~ん あっ!寝てたわ
ドラマ終わった?」
貴弘が突然目を開けた。
「あ・・・うん
ねっ!貴弘 トイレどこ?」
「そこ出て右」
「借りるね」
セーフこんな顔見られないで済んだ
もう少し遅かったらあたし
泣いてたかもしれない。