イマカレモトカレ 永遠の愛は?


「適当に座って」
と言われてリビングに入ると
二人がけのソファーが中央に置かれていた。


テレビも60インチの大画面。


昔の貴弘のアパートとは
大違いだ。


前は1DK狭くても
幸せな日々を過ごせてたな・・・なんて
また思い出す。


「何をキョロキョロ見てんだよ!
ほら!酎ハイ ピーチしか無かったわ
ビールが良かったら
持ってこようか?」


「いや それでいい」


缶を開けるプシュッと言う音が
シーンとした部屋に響き渡った。


「なんか贅沢な部屋だね」


「そう?まぁ~頑張った証しかな?」


頑張った証し=
母さんたちにバカにされたから。


「そうだね」


「贅沢ってほどじゃないよ
もっともっとみんな
贅沢な暮らししてるから!
テレビ 何か見る?」


貴弘はリモコンを取って
テレビをつけた。


ちょうど映った映像が
毎週あたしが見てるドラマだった。


「あ!これ!続きが気になってたんだ
見ていい?」


「どーぞ
オレ風呂に入るわ」


あたしはドラマに集中してて
貴弘がお風呂から出たのさえ気づかなかった。


一時間番組が終わり
気づくと貴弘はもうひとつの
ソファーで寝ていた。


貴弘・・・あたし
貴弘が好きだよ
ごめんね・・・苦しめて・・・。


寝顔に心で謝罪をしていると
「う~ん あっ!寝てたわ
ドラマ終わった?」
貴弘が突然目を開けた。


「あ・・・うん
ねっ!貴弘 トイレどこ?」


「そこ出て右」


「借りるね」


セーフこんな顔見られないで済んだ
もう少し遅かったらあたし
泣いてたかもしれない。





< 148 / 187 >

この作品をシェア

pagetop