イマカレモトカレ 永遠の愛は?
第2会議室
ここか・・・
ドアの前で大きな深呼吸。
ドアをノックした
「どーぞ」と言われ
扉を開けるとそこは
応接セットが置かれていた。
「失礼致します
システムズの門倉と申します
本日は西山にわかりまして」
「えっ?乃愛?」
挨拶の途中で
あたしの名前を呼ばれて
始めて相手の顔を見た。
目の前に座っていたのは
元カレの前田貴弘だった。
5年前中学の同窓会に行って
元カノと会って浮気して・・・
子供作って・・・
あたしに諦めろ!と言った
憎いはずの彼。
「あ・・・」
「元気?」
「・・・うん・・・」
5年ぶりの会話。
「システムズに勤めてたんだ
わかんなかった」
「貴弘もHONDA建設に勤めてたんだ」
「今 意外!って思ってるだろ?
土木作業員だったのに!って」
「ううん・・・」
貴弘はあたしと付き合ってるときは
本当に土木作業員だった。
何度も言うけど貴弘は高校時代
悪さばかりしていた。
ちゃんと就職も決まって後は卒業を待つだけ
だったのに 他校の生徒と喧嘩をして
相手を怪我をさせてしまって
傷害事件に・・・。
決まっていた就職は見送り
学校では謹慎処分
そして卒業も危うかったけれど
貴弘の将来を担任の先生が考えてくれて
なんとかみんなより外れて
校長室で別の日に卒業式をした。
後でわかったけれど
仕掛けたのは相手
怪我をしたのも貴弘は
濡れ衣だった。
やったのは貴弘の友達
その友達をかばっただけ。
卒業した貴弘は人のツテで
土木の仕事を始めたのだった。