イマカレモトカレ 永遠の愛は?
いつも作業服を泥々になるまで
働いていた。
顔だって日焼けして真っ黒だったのに
今はそうでもない。
「オレね!バカにした奴らを
見返してやりたくて猛勉強して
資格をいっぱい取ったんだ
それで人のお世話でここに
入社できたんだよ」
人のお世話
もしかしたら奥さんの関係かもしれない
結構お金持ち風だったから。
「そっか・・・頑張ったんだ」
「そうだよ
お前バカか?って言われるくらい
人生で一番頑張ったかもしれない」
「家庭を持つと違うね」
「家庭?」
「結婚したんでしょ?」
「あ~あ!したよ」
「子供は?男の子?女の子?」
「男!スゲーかわいいよ」
ズキッ・・・。
どうして胸が痛くなるの?
あたしにもちゃんと和典さんという
彼氏がいるじゃない!!!。
「そっか・・・
かわいい年頃だろうしね」
沈黙がまた胸をキツくする。
「あっ!そうだ
うちのシステムキッチンなんだけど」
と 資料を鞄から出した。
「この写真Aの流し台をお勧めしてて」
「乃愛!説明はいいよ
西山さんとの契約でもうそれに決めてるし
5ページのIHもね」
夢子の言うとおり
契約の印鑑を押すだけでオッケイなんだ。