イマカレモトカレ 永遠の愛は?


貴弘・・・
以前に増してカッコよくなってる。


夢子が言うだけある・・・
でも人のモノ。


あんなに優しくしてくれた笑顔も
あんなにいっぱい繋いだ手も
あんなに強く抱きしめてくれた腕も
全部人のモノ。


胸がズキズキ痛む。


5年前
いつか偶然会ったときには
たくさん文句を言ってやろう
と思っていたのに・・・。


貴弘より倍以上に幸せになっててやろう
そう思っていたのに・・・
あたしは・・・。


「あれ?どうした?
急に黙り込んで」


「あっ・・・」


「うん?水分不足か?
そういえばお茶遅いな」


そう言うと
「ごめん 第2会議室に
お茶持ってきて」
どこかに電話をしたようだ。


「あっ!もう用件も終わったことだから
帰るからいいよ」


「ここまでどーやって来た?」


「バスで」


するとまた電話を掛けて
「やっぱりお茶いいわ」
と断ってあたしに
「会社まで送るわ」
と身支度を始めたのだった。


「いいよ バスで帰るから」


「送らせろよ!
久々会ったのに 遠慮すんな」


・・・あなたはあたしを振ったのを
忘れてますか?


お前より向こうの方がいい
だとか・・・。


5年経てば時効ですか?


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