恋の処方箋SOS
04
龍太郎が適当に服を着て玄関のドアを開けた
「やだなぁ怖い顔」
「帰れ」
「僕と龍太郎先生の仲でしょねっ?少しくらいいいでしょ?」
「帰れ」
「あれ誰かいます?」
「白々しい」
前に確かにこの部屋で呑んだことはあるがそれはまだ白石とこじれる前だった
「龍太郎先生?」
俺は一度、杏子のところに行って話してから時間を確認する
15時か病院での手続きに時間かかったからなしかたないか
俺は杏子をもう一度見てからドアを開けた
「杏子ちゃん退院おめでとうこれチェリーパイです」
にこりと笑う白石先生に私はとびきりの嫌味を言った
「白石先生は暇なんですね」
「まあ精神科医ですからね」
白石先生には口では勝てそうにない
白石先生はにこりとしらながらも何を考えてるのかわからない視線をからませてきた
「用はそれだけか?」
「そんな怖い顔しないでください、あと窓を開けたほうがよさそうですよ?」
「大きなお世話だ」
「龍太郎先生、お酒好きですよね?これ」
そういうなり白石は立ちあがりキッチンから勝手にグラスを2つ持ってきてお酒をついだ
「杏子ちゃんは呑める?」
「いえまったく」
「ふーんそう」
にやりと笑った白石先生と龍太郎のグラスが落ちるのは同時で龍太郎が膝をついた
「なにかいれたな?」
「心配しなくても命に支障はないですよ、ただ少し苦しくて動けなくなるだけですから」
「龍太郎」
「君が呼ぶのは僕の名前だ
龍太郎先生あまり過剰に息を吸いすぎると余計、苦しくなりますよ?」
「龍太郎」
「まったく君はこんな虫けらより自分の心配をしたら?」
白石の足が鳩尾にはいり余計に息が苦しくなる
「龍太郎が死んじゃう」
「龍太郎先生さっきから言ってるでしょゆっくりと」
言葉ではわかる理解していたでもオーバーヒートした体じゃ制御はできない
白石はゆっくりと杏子を抱きしめた
「はなして」
口を塞ぎゆっくりと突き入れて杏子が壊れたように笑う
「龍太郎先生まだ生きてます?杏子ちゃんはもらいましたよ」
俺も半ば意識が遠退いていたがなんとか立ちあがり白石を杏子から引き剥がして殴り倒した
けどそれだけだった意識が遠退いて気づいたら夜になっていた
「かっこわりぃ」
「龍太郎?」
ベッドの方から弱々しい声がして慌ててベッドに這い上がると抱きしめようとして杏子に拒絶された
俺はただ髪を撫でてベッドから離れるとキッチンに行き派手に咳き込んだ
血が手につく肺がやられたのかもしれない
杏子がよろよろとベッドからおりる気配がして慌てて手を洗い流した
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