恋の処方箋SOS
私は思いきり点滴を引き抜いた、痛い?痺れてる?
「バカ」
慌てて龍太郎が止血するために傷を圧迫する、その手を緩めるため龍太郎の手を引き剥がしにかかる
「もういいの」
「手はなせバカ」
たまたま通りかかった看護師がなんとか傷を圧迫して止血してくれた
龍太郎は看護師になにか耳打ちして部屋を後にした
「シーツを交換するから隣の部屋に移動するわね」
「はい」
私は隣室に移され色々と説明された
しばらくして白石先生が現れて言う
「今日から担当は僕だから、少し眠ろうか?」
私は首を振って否定した
「いえ」
「龍太郎先生、医者を辞めるみたい理由はわからないけど理事長室で話していたのを聞いちゃった」
「龍太郎に会いたい」
「待ってダメだよまだ動いたら」
「会いたいの」
「俺ならここだ」
「龍太郎先生」
「龍太郎」
「さっきと反対の腕だして抗生剤いれるから、少し眠くなると思う
それと今日からちゃんと薬を飲むこと」
龍太郎はすばやく正確に注射をするとベッドサイドに薬を置いた
「龍太郎やめないで」
すがるように私は言った、私のせいで辞めるならそんなの私が許さない
「はあ?」
怒らせた?怖いまた・・・でも龍太郎はわしゃわしゃと私の髪をぐしゃぐしゃにして笑う
この笑顔反則
「だって白石先生が」
「おまえのために辞めるわけないだろ、あれは他の病院に行かないかって誘いだ」
龍太郎は優しくキスをしてくれた
私はゆっくりと安心して目を瞑った
「龍太郎・・・」
次に目覚めるとお姉ちゃんが来ていてびっくりした
「ずっと彼氏の名前つぶやいてたわよ」
「彼氏?!龍太郎はそんなんじゃないし」
「もうお互い名前で呼んでるの」
お姉ちゃんは重いバックを椅子に置いて笑う
「まあ」
「色々あったみたいだけどお姉ちゃんは応援してるから」
本当に色々ありすぎたなぁと思っていたら龍太郎が現れた
「龍太郎」
「前にも一度、お会いしましたね比嘉です」
お姉ちゃんは厳しい顔をしたけれどすぐに笑った
「妹をよろしくお願いします」
お姉ちゃんはそれだけ言うと電話してくると言っていなくなってしまう
龍太郎はパイプ椅子に座るなりふわっと欠伸をした
「疲れた?」
「まあな、あっちこっち呼ばれるからな」
「じゃあムリに来なくていい」
「来なかったらなにするかわからないからな」
龍太郎はベッドに突っ伏しながら言う
「昨日はごめんなさい」
「俺の方こそ余裕なくてごめんな、忘れるとこだったこれ」
龍太郎が白い紙を手渡してきた
中身は車の修理代の見積書で私は唖然とした
「ムリぜったいムリ」
「おまえは文句言わずに書けばいいんだよ」
話がぜんぜん噛み合わなくてぱちくりしていると龍太郎が慌てて別の紙を渡してきた

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