恋の処方箋SOS
これが龍太郎の本性?私は唖然としていた
龍太郎はもっと優しいのかと思っていた
それが一瞬で打ち崩されたのだ
「龍太郎?」
「さあ帰りましょう」
「なあ白石おまえ随分、楽しそうだな?」
「ええまあ」
だって僕だけ蚊帳の外で龍太郎先生だけ幸せになんてさせませんよ?
「龍太郎、またね」
白石と杏子が去った後の不穏な空気に内海が眉値を寄せた
「大丈夫か?にしても杏子変わったよな?」
「ああ、内海そこの水とってくれ」
ベッドサイドの水のボトルを一気に飲み干して点滴を見つめる
「なんだよあの態度」
ぐしゃりと龍太郎がペットボトルを片手で潰した
「後で杏子に話してみるよ俺から」
「もういいよ」
「えっ?」
「待ったところで変わらない、なら待つのを辞めるだけだ」
ごみ箱に龍太郎が潰したペットボトルが入る音がした
「龍太郎」
「あいつが白石を選んだそれだけだ、俺は少し寝る」
目を瞑る龍太郎があまりにかわいそうで俺は部屋を出た
向かった先は杏子の病室
ノックをして入室をしたが杏子は着替えの最中だったらしい
「悪い」
慌てて部屋を出ようとして足下の丸まった紙に目がいって止まる
比嘉龍太郎、婚約届?!
着替え終わった杏子に向き直り怒鳴りつけた
「最低だあんた、龍太郎がどんな気持ちで」
「もういいんです、正直、龍太郎は重いですから」
なんて自分勝手ないいわけ俺は二の句が告げなかった
俺は病室を後にして龍太郎のところに行った
「久しぶりだね龍太郎」
「佐和子さんこそいつ戻ったの?」
「アメリカにはまた戻るつもりなんかこっちの風はあわなくてさ」
佐和子さんは世界中を飛び回る女医で俺や内海の先輩にあたる
サバサバした男勝りな性格の持ち主で腕もたつ
「そっか」
「事故ったって?」
「まあ」
「どうした?」
佐和子さんは以外にも勘が鋭くまるで猫のようだ
「いや」
「失恋でもした?」
「なんでわかるんです?ってか失恋なら佐和子さんに振られたので最後にしようと思ったんっすけどね
佐和子さん、俺を踏み台にして勝手にアメリカに行ってすぱっと結婚しちゃうんだから」
「あはは龍太郎はまだまだ子供だねぇ」
「だから俺、マジに恋愛すんのやめようと思って」
「相手は?」
「もういいの、だって相手にその気ないから」
「龍太郎はすがりたいんだよね何かに、甘えたいの」
ぎゅっと佐和子さんが俺を抱き締めた
「佐和子さん」
「あんたが泣きたいとき甘えたいときは傍にいてあげるから、ねっ?」


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