恋の処方箋SOS
龍太郎はいつの間にか起きあがっていて佐和子さんの背中になにか投げつけた
床に落ちたタバコの箱を取りながら佐和子さんが振り返る
佐和子さんはつかつかと龍太郎のところに行き平手打ちをした
「あーすっきりした、いつかやってみたかったのよねぇその綺麗な顔を叩くの」
佐和子さんある意味、最強かもなんて私が思っていると龍太郎がいきなり私の手首を掴んで一階の喫煙所まで無言で引っ張っていく
人の目もあるし正直やめてほしい
「りゅ・・・龍太郎」
龍太郎は喫煙所につくなりタバコに火をつけた
「話し聞いてやるよ3分だ3分で弁解してみな」
相変わらず意地が悪い、ムカつくぐらいイジワル
「あのね・・・ごめんなさい」
「なにが?要点が抜けてる」
「だからごめんなさい」
頭をおもいっきりさげてゆっくり顔をあげると龍太郎の顔が目の前にあってたじろいでいたらキスされた
強く深く舌を絡めるキス・・・タバコの苦い味
「んでおまえはどうするの?」
「どうするって?」
龍太郎のことだよね、私わかんないよ
「好きかキライかだろ普通」
ため息をつきながらタバコを消して立ち上がる
相変わらず背が高い
「あのさ龍太郎、身長いくつ?」
「ん?あまり気にしたことない182くらいじゃね」
「龍太郎あのさやっぱり結婚はまだしたくないかなって」
「あああれね冗談だから」
はい?今このタイミングで言う?しかもたたみかけるように
「どーせおまえのことだから鼻紙にでもしたんだろ」
「してません」
軽く笑って龍太郎は更に続けた
「んで和んだとこで答え聞かせて」
「じゃあ友達から」
ぎゅっと後ろから龍太郎が抱き締めてきた
「待てないなやっぱり、体が疼く」
「龍太郎」
耳元から直に伝わる声、体が熱くなる
「俺、最近してないからみさかいないよ?」
「人の目があるから」
「人の目がなければしてくれるご奉仕?」
龍太郎は意地悪く笑って私の手を引いて歩きだした
「ちょっと龍太郎」
着いたのは私の病室で私は唖然としていた
「期待してた?」
私はベッドに横になってから言う
「別に」
本当に龍太郎は気紛れでもそこが良かったりする
龍太郎と入れ替わりに現れたのは白石先生だ
またなにか良からぬことでも考えているのだろうか
「今日はお別れをいいに来ました」
なにを言っているのかわからずに目を見つめた
「えっ?」
「さっき佐和子さんに言われて気付いたんです逃げてたのは僕だって、だから向き合うことにしたんです」
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