恋の処方箋SOS
なにが違うんだろ考えていたら龍臣さんが話しかけてきた
「杏子ちゃんかわいい名前、顔はちょっとタイプじゃないかな」
龍太郎よりけっこう酷いこと言う
「兄貴」
「なぁに龍太郎?俺の女に手を出すなって?」
手の甲にキスをされて龍太郎は必死に怒りを抑えてるようだった
「龍太郎、あなたは病室に戻りなさい話があります」
「どーせ兄貴が継がないから俺に後継者になってほしいんだろ、もうたくさんだ
もういいだろいい加減にしてくれ」
「龍太郎わがままはたくさん聞いたろ」
病室に重く低い声がして私は龍太郎の父親が来たのだと悟った
「俺は戻らない」
「龍太郎、龍臣が継がないのなら龍太郎が継いで後継ぎを残すべきだろ?」
「俺は戻らない」
「龍太郎は頑固だねぇ」
「嫌なんだよ好きでもねぇ女抱いて人生終わるのが」
「龍太郎はブス選だからねぇ」
俺はこれ以上ムダだと思い1階の喫煙所でタバコに火をつけた
「ここにいたのか探したぞ」
「ああ悪い内海」
「どうした?」
「結婚ってそんなにいいか?」
「俺は好きな人だったからな、一本いいか?」
内海にタバコの箱を傾けて一本抜くと吸っていたタバコを近づけて火をつけた
「ずいぶんきついな」
「なにが?」
「タバコだよタバコ」
沈黙がしばらく続いて目の前を白石が通りすぎようとしていた
「白石」
「龍太郎先生に内海先生、今はなにも言いたくありませんから」
白石はそのまま通りすぎてしまった
タバコを吸い終わり検査があると言われ内海の管轄の下で色々と検査を受けた
病室に戻る頃にはくたくたで俺はベッドに倒れこんだ
「龍太郎、少し傷を診るからな」
包帯を外され外気に傷が触れ少し痛みを覚えた
ほとんどが骨が折れているような怪我だが切り傷も中にはあった
「1ヶ月だなやっぱり」
龍太郎はとうに寝息をたてていて俺はゆっくり怪我の治療をして部屋を出た
「龍太郎になにか?」
俺は病室前にいた人間に声をかけた
「龍太郎はいる?」
一瞬、女に見えた綺麗な顔に金髪、声でようやく男とわかった
「寝てる」
「ああそう」
鼻歌を歌いながら彼はドアを開けて中に入っていった
「よく寝てるね龍太郎」
幼い頃にしてあげたように髪を撫でた、起きる気配はない
そっと取り出したカプセルを抉じ開けた口の隙間から強引に嚥下させる
しばらくして龍太郎が呻いた、予定より少し早いかな
吐き出しそうになるのを押さえつけるとひどく咳き込んだ
「っ・・・あっ」
「龍太郎?」
「なにしやがった」
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