恋の処方箋SOS
「媚薬だよ、まあせいぜい楽しんでよ?龍太郎が後継ぎを残してくれたらもっと僕は自由になれる」
薬のせいか体が熱い・・・水を一口飲んでもおさまらない
「龍太郎」
なんつうタイミングだよったくもっと空気を読め言いたいが言えない
「いいとこに来たねお嬢さん、まあ楽しんでよ龍太郎
兄からのささやかなプレゼントだよ」
ひらりと手を振る兄と?な顔の杏子
「龍太郎あのね私ね色々考えたの」
ぽつりぽつりと話す杏子に俺は強く言い放つ
「あとで話しはきいてやるから」
「龍太郎?なんか苦しそうだけど大丈夫?」
本当に空気を読めない杏子に苛立ち俺は杏子の唇に噛みついた
「っ・・・」
「ちょっと痛いよ?龍太郎」
俺は杏子を反射的に引き寄せてベッドの上に引き上げた
「理由は聞くないいな?いいから俺に抱かれろ」
「えっ?」
「少しでいい」
ぎゅっと後ろから抱きしめられ私はびっくりした
「龍太郎、熱い」
そのまま俺はゆっくりと目を瞑って息を整えた
「なにも言うな」
「龍太郎あのね私ね比嘉財閥の嫁になってもいいよ」
「やめとけ」
低く小さく龍太郎が後ろから言う
「苦しそうな龍太郎を見てたくないよ」
龍太郎はいつの間にか寝息をたてていて私は龍太郎の方に顔を向けて優しくキスをした
「龍太郎、大好きですよ?なんて私バカみたい」
「言ったな?」
片目だけ開けて私を見る龍太郎、意地悪く笑っている
「うっ・・・なにも言ってない」
「責任とれよ?」
なんの責任だろうと考えていたらまた噛みつくようにキスをしてきた
キスだけの関係、龍太郎とはそれ以上ないんだよね
最初に龍太郎の部屋に泊まった時もけっきょくはぐらかされて大切にされてるのはわかるけどなんだか物足りない気がしていた
「よし」
「ん?キスだけじゃ物足りない?打算で抱くのは嫌いなんだよ」
「いちいち理由なんて必要ないでしょ」
「焦りすぎがっつきすぎ」
龍太郎はいまいちわからない、そういうことに慣れているのかいないのか
「大切にしてくれるのはわかってるけど私・・・」
龍太郎は嘆息混じりに私を強くきつく抱きしめた
「どうなっても知らねぇからな」
龍太郎は私を優しく抱いてくれた、私は龍太郎の物になれたのだ
荒い息を整える龍太郎に優しくキスをし応えるように龍太郎が噛みつくようにキスを返してきた
「龍太郎ごめんね」
「なにが?」
「私とこんな風につながりたくなかったんだよね?」
「いいんじゃね別に」

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