黒胡椒もお砂糖も
もどかしくて仕方がない。自分が自分でよく判らない、そんな状態の2月を過ごしていたので、彼等の姿が2日間でも見えなくなるというのはいいニュースだ。・・・多分。
結局2月戦が終わって暫くしても、平林さんからは都合ついたよメールは来なかった。
沈黙営業がいかなるものかが知りたかったけど、彼からメールが来ないのはある意味素晴らしい。もうそのまま忘れてしまおうか、そう思ってもいた。
これだけ接触もなく言葉もなかったら、高田さんだってその内私を忘れるだろう。
彼が私のどこを気に入ったのかは知らないが、隣とは言え同じ会社の同じフロアーで仕事する営業同士、噂になったりすると仕事もしにくくなるのは彼も同じに違いない。
前の弓座さんみたいに契約の元を疑われたりすることもある。一生懸命自分で蒔いた種を育てて収穫した契約をそんな風に言われることほど腹が立つことはないのだ。
どうか、彼の気になる女性が外で出来ますように。それを考えると胸のところがちりちりと音をたてて痛むけれど、それは頑固に無視してみせる。私はもう恋愛が出来るとは思えないし、それにもうすぐ・・・。
カレンダーを見詰めた。
そっと息を吐き出す。
・・・もうすぐ、離婚して2年目がくるのだ。