オフィスの野獣と巻き込まれOL


数字を見れば事の深刻さが分かるのだろう。

お金の流れを追ううちに、会社の上層部がただならぬ損金隠しをしている様子がはっきりしてきた。

「一体どういうことだよ。借金って、これだけじゃないのかよ」

「幸いにも、金額がデカいのは工場買収だけだ。分かってるものだけだけど」

「この件だけって、何言ってるんですか。
利益が100億そこそこの会社が、売り上げ金から170億円も投資してるなんて」

山科君は、がっくりと力を落としていた。

「いったい、俺、何のために働いてきたんだ?」

「今は、出来る事をしよう。この工場は何も産み出さない。維持するだけで赤字だ」課長が静かに言う。

「わかりました」
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