オフィスの野獣と巻き込まれOL

私は、彼が消えていったドアの前にしばらく立っていた。


この中に、ドアを隔てたところに課長がいる。

薄い壁、一枚隔てた空間に。手を伸ばせば、届きそうな空間に彼がいる。

部屋に入っても、つい、隣の課長のいる方を見てしまう。

彼のこと、いろいろ考えてしまうだろう。

こんなに考えてしまっては、きっと眠れない。

ゆったりとお風呂につかりながら、そう思った。

ベッドに入った時もそう思ったけれど、そんな心配は不要だった。


横になった途端に、気持ちよい睡魔に襲われた。

気分は、全然すっきりしてなかったはずなのに。


私は、あまりにもぐっすり眠っていたので、モーニングコールが鳴った事に戸惑った。
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