オフィスの野獣と巻き込まれOL

なぜ中間管理職の一人にすぎない課長が、どうやって重役に責任を問うのか、私にはさっぱりわからない。

課長がそう言うなら、そうするのだろう。

これまでも、言いだしたことで、実現しなかったこと無いんだから。


「株主総会まで時間がない。急いでくれ」

私は、会議資料の作成を手伝って二人の手伝いをしている。

少しでも作業を減らすために、三人並んだ真ん中に入って、パソコンで資料を作ってるんだけど。

課長が私の上を乗り越えて、山科君に課長が指示を出す。

「ちょっと待ってください。今、数値出しますから」


6月に入って、さらに課長の厳しい声が会議室に響くようになっていた。

これでは、会議室の外に、課長の声が筒抜けになっているのではないかと心配になるほどだ。

< 248 / 349 >

この作品をシェア

pagetop