キスシリーズ~はぐらかしキス~ 短編
「美月がそう聞こえたならそうなんじゃない?」
ふいっとそっぽを向く智晴。
そんな仕草さえもかわいい智晴。
「智晴大好き…」
そう言ったらまた泣けてきてしまった。
でも好きなんだ。
智晴が好きなの。
「また泣いてる。ていうか、好きって言って泣く意味がわからないんだけど」
そう言いつつもぎゅっと抱きしめてくれる智晴。
「だって…大好きなんだもん…。智晴しか見えないんだもん…」
「だからなんで泣くの」
優しく頭を撫でてくれるその手は優しくて、智晴らしくなくてわたしはまた泣いてしまう。
「だって智晴が優しいからぁ~。そ、それに好きって今はじめてきいた~!」
今まで智晴から好きって言われたことないもん。
それでも好きでいてくれてるって信じてた。
嬉しいんだよ智晴。