【短】最後のメール


『杏へ。』


『きっと。もうお前にメールを送るのは、最後になるような気がします。
あ、お前にだけじゃなく、
メールすんのも最後かも。



俺な、多分死ぬ。』


ストレートに書かれてた言葉。
ちゃんと読んでたら・・・・
ちゃんと読んでたら何か変わってたのかな?


何で・・・・気付けなかったの?


『だから、とりあえず。お前には沢山言い残したことがあるから、今携帯を持ってます。』


『杏に始めて会ったのは―・・・えっと、高1の春、入学式の。ちょっと後ぐらい?』


―・・・・高校一年、春。


いつもと変わらない朝。
校門を通って、また一日を過ごす。


そんな平凡な毎日のたった一つに過ぎなかった。


―・・・・なのに、


(・・・・何っ!!???)


強すぎる風と、砂埃。
それにけたたましい爆音。


「おいっ!!!田崎!!!!何だそれは!!!!!」


―・・・・田崎。


それがヒカルとの出会いだった。

言うまでもなく、第一印象は最悪だった。


『あの頃のお前は、今では想像つかないぐらい、純情な女の子♪って感じだったな(笑)』


たかが田舎の高校だもん。


普通に育ってきた私には、
信じられないような人種だった。

学校に原付き!?
ピアス!?
茶髪!?


有り得ない事ばっかり。
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