【短】最後のメール
平々凡々と生きてきた私には、刺激が強すぎて。
そして理解の範囲を超えていた。
そんな有り得ない、田崎に。
見られてた気がした。
大きくて、
真っ直ぐな瞳に、
吸い込まれてしまいそうで。
私はその場から走って逃げた。
あの時の目は、
確かに私をとらえてたから。
田崎は、
中学でも相当荒れてたらしい。
ってゆうのは。
後から分かった事。
『初めて、お前が俺を見たときの表情。
今もしーっかり覚えてんぞ?
すごかった!
もんのすごい物を見るような目。まー無理もないか。
お前平凡に生きてきたんだもんな?(笑)』
それから、何度か田崎の噂を聞くことはあっても。
立ち入ったりはしなかった。
関わりたくは、なかったから。
そもそも田崎は、あんまり学校に来てなかったみたいだし。
授業中、暇すぎて外を見ると
グラウンドをズルズルと歩いてる田崎を見た。
遅刻なんて当たり前、
そう言うように、欠伸をしながらポッケに手を突っ込んで歩いてた。
あ、でも学校には一応来るんだ。
何て思いながら。
田崎の姿を見てた。
「!!」
ちらっ、と田崎がこっちを見た。心臓が跳びはねるようにびっくりして。
また目を逸らした。
それからも、ずっと心臓のドキドキは止まないまま。