可愛い人。
え!?
先生、バスケの欠員メンバーに入っちゃうの?!!
山崎くんと先生の会話を密かに聴いていた私にとっては予想外で……。
動かそうとしていた足の力が段々と抜けていくのがわかる。
どうしよう…!
先生とペアを組むことで解決すると思ってたのに……。
バドミントンの方はもうそれぞれがペアを組んで練習を始めてしまっている。
余りものの私ただ一人がその場でぽつんと突っ立っていた。
普段一人だと、こういう時が一番困ってしまうんだった…。
解っていたことだったのに、その場面にならないと傷の痛みがわからないマヌケな私。
でも、仕方ない…か。
楽な道へと私が選んじゃったんだから……。
キュッとラケットを握りしめて、深く反省していた時だった。
「………じゃあさ、あと女子からゴブリンを投入すればいいんじゃね?それならなんとかなりそうだし。」
と、ふいに山崎くんがそう先生に提案をした!
「ちょっと山崎ぃぃ!!!またアタシを変なあだ名で呼んでくれたわね?!!いいわ!!!今度こそアンタと決着つけてやるッッ!!!」
「塩沢こと“ゴブリン”なら腕力あるから男子とみなしていいだろ?先生。」
「また言ったねっ!!?今度こそ許さないからね、山崎ぃ!!!」
「しかたないな。塩沢を怒らせたことは翔太に責任とってもらうか!じゃあ試合開始ッ!!」