可愛い人。
と、とにかく、
昨日あのまま日誌も終わらせないで山崎くんに押し付けた形で帰っちゃったし、迷惑かけたのは事実なんだから、
ちゃんとお礼を言わないと…!
でも、あんな事があった後だし、
わわ私、山崎くんに自ら声をかけることなんてできるのかな?!
悶々としながら私は下駄箱で靴を履き替えて教室へと向かった。
やがて見慣れた教室に入ると、急に辺りが騒がしくなるのを感じた!
え………。
な、何…………?
妙な雰囲気が教室中に充満して、みんなが私をジッと見てくる……!
すると一人の男子が私の側までやって来た。
「の~ろ~ちゃん♪おとなしそうに見えて翔太をたらしこむなんてやるじゃーん!!」
………え?
なんのこと…!?
その男子の一言を皮切りに男子女子ともに一斉に私に言葉を浴びせてきた!!
「野呂さんさ、昨日の放課後に翔太と二人で何やってたの?」
「あたしら見ちゃったんだよね!普段は一言もしゃべらないくせに翔太と教室で楽しそうになんか話してたでしょっ?!」
「俺、まさか野呂さんも翔太にいくとは思ってなかったゎ!!」
「アイツは止めとけって!野呂ちゃんには高嶺の花じゃん?」
なんの、
話を、
しているの?
みんなの言う言葉が全く理解できない…。
いったい私が何をしたっていうの…?
ただこの時、いやに身体が震えだして背筋がぞくっとした!