可愛い人。
一人
「じゃあ、各二人組でペアになって始めてくれ!」
翌日の体育の授業。
この時私はピンチを迎えていた…。
ど、どうしよう!?
いつもこういう時に余りもの同士で組んでいる山田さんが今日は風邪で欠席なんて……!!
しかもバドミントンだから一人じゃできないし…。
で、でも、女子の人数が奇数だから一人余ってしまうのは仕方ない……のかな。
ちなみに男子は体育館のコート半分を使ってバスケットボールをしていた。
そ、そうだ!
先生にバドミントンのペアになってもらえるようにお願いしてみよう!
先生の方が同級生よりも幾分か話しかけやすかった私。
体育の先生に近づこうと意を決して一歩踏み込んだ時だった…!
「おい!男子!!何をやってるんだ!!ふざけてないでさっさと試合を始めろッ!!」
と、先生が注意をしに男子のコートへ行ってしまった!
うそ!!
バスケの方に行っちゃった!!
「翔太、お前はさっきから何をやってるんだ!早く準備しろ!!」
「へーーい。」
ボールでリフティングをしていた山崎くんがそんな間延びした返事をかえしている。
な、なんて、
自由な人なんだろう…。
この時ばかりは山崎くんを少し恨んでしまった…。
「つーか、先生。男子の人数スゲー微妙じゃね?これじゃ試合にならねえよ。」
「うむ…。今日は陸上部が大会だからこのクラスは欠員が多いのか…。よし!なら、俺が入ろう!!」