席順斜め後ろ
「え、何言ってるの...?」
転校?転校...。
優月の頭の中ではそのワードがぐるぐると回っていた。
いつの間にかノートに文字を写していたシャーペンは手から離れ、重力に従い
ーーーかつん
と、音を立てて教室の床に落ちた。
「だーかーらー!転校するのー!」
大きな声を出したため、クラスメイトがみんな二人の方を見る。
夏場には嬉しくない窓際の一番後ろ。
みんなが注目する中で、前の席の子が聞いた。
「木下、転校すんの?」
「あぁ。」
えええええええええ!??
皆が驚いて声を上げる中、先生は事情を知っているのか、ただ授業を中断されたからなのか、ため息を漏らした。